日経平均株価が上がった、下がったというニュースはよく目にします。
ただ、日経225の中身を業種別に見ていくと、もう少し違った景色が見えてきます。
どの業種の動きが目立つのか。どの業種が落ち着いた動きなのか。そこには、今の日本市場の関心が表れます。
今回は、日経225採用銘柄のうち株価データを取得できた銘柄を業種別に集計し、直近20日・60日の値動きから「今の日本市場の状態」を見てみました。
結論から言うと、今回のデータでは 製造業・素材関連の動きが目立つ相場 と見ることができます。
今回の分析方法
今回の分析では、日経225採用銘柄を業種別に分け、以下の指標を使ってセクターごとの勢いを見ました。
- 平均5日リターン
- 平均20日リターン
- 平均60日リターン
- 20日上昇銘柄比率
- 60日上昇銘柄比率
- 出来高の増加傾向
- 高値圏にある銘柄の比率
これらを組み合わせて、独自に「セクター勢いスコア」を作成しています。
なお、この分析は個別銘柄の売買判断を目的としたものではありません。
日経225の業種別の動きから、日本市場の関心がどこに向かっているのかを観察するためのものです。
日経225で動きが目立つ業種

今回のセクター勢いランキングでは、上位に以下の業種が並びました。
| 順位 | 業種 | 銘柄数 | セクター勢いスコア | 平均20日リターン | 平均60日リターン | 20日上昇銘柄比率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 非鉄金属 | 8 | 160.0 | 21.13% | 70.23% | 100.0% |
| 2 | 電気機器 | 31 | 102.7 | 18.13% | 18.00% | 77.4% |
| 3 | 窯業 | 6 | 84.1 | 12.94% | 12.36% | 83.3% |
| 4 | 機械 | 16 | 81.6 | 9.57% | 12.46% | 87.5% |
| 5 | 通信 | 4 | 65.7 | 10.93% | 8.89% | 50.0% |
もっとも動きが目立ったのは 非鉄金属 です。
スコアは 160.0、平均20日リターンは 21.13% でした。
続いて、電気機器 も上位に入り、平均20日リターンは 18.13% となっています。
直近20日で上昇が目立つセクター

短期の値動きだけを見ると、直近20日で上昇が目立つ業種も確認できます。
特に、上位に製造業・素材・電気機器関連が並んでいる場合、市場は内需全体というよりも、特定のテーマへの関心が高まっている可能性があります。
短期・中期の両方で見る

短期だけで見ると一時的な反発も含まれます。
そのため、今回は20日リターンと60日リターンを分けて確認しました。
右上にある業種は、短期・中期の両方で比較的上向きの動きが確認できる業種です。
一方で、左下にある業種は、短期・中期ともに下向き可能性があります。
上位セクターから見えること
非鉄金属
非鉄金属は、今回のランキングで1位でした。
平均20日リターンは21.13%、平均60日リターンは70.23%です。
銅、電線、資源、インフラ投資などと関係が深い分野です。電力網、データセンター、設備投資といったテーマが意識されやすい業種です。
電気機器
電気機器は、今回のランキングで2位でした。
平均20日リターンは18.13%、平均60日リターンは18.00%です。
半導体、電子部品、AI、データセンター、工場自動化などと関係が深い分野です。日本株の中でも成長テーマと結びつきやすい業種です。
窯業
窯業は、今回のランキングで3位でした。
平均20日リターンは12.94%、平均60日リターンは12.36%です。
ガラス、セメント、素材、建設関連などを含む分野です。建設需要や設備投資、素材市況の影響を受けやすい業種です。
機械
機械は、今回のランキングで4位でした。
平均20日リターンは9.57%、平均60日リターンは12.46%です。
製造業の設備投資、工場自動化、インフラ投資、建設機械などと関係が深い分野です。企業の投資意欲を映しやすい業種です。
通信
通信は、今回のランキングで5位でした。
平均20日リターンは10.93%、平均60日リターンは8.89%です。
通信インフラ、携帯通信、デジタル基盤に関係する分野です。景気敏感というより、安定収益やデジタル化の流れと結びつきやすい業種です。
ランキング上位のまとめ

弱かった業種
一方で、下位には以下の業種が並びました。
| 業種 | 銘柄数 | セクター勢いスコア | 平均20日リターン | 平均60日リターン |
|---|---|---|---|---|
| 空運 | 2 | -8.2 | -5.73% | -11.77% |
| ガス | 2 | -8.5 | -10.01% | -3.47% |
| パルプ・紙 | 1 | -12.9 | -2.66% | -7.58% |
| 自動車 | 9 | -13.2 | -3.93% | -14.78% |
| 水産 | 1 | -13.3 | -11.18% | -5.89% |
上位だけを見ると日本市場全体が強く見えますが、下位セクターも確認すると、業種ごとの温度差が大きいことが分かります。
特に、自動車や水産、空運などが下位にある場合、輸出・為替・海外需要・個人消費・インバウンドなどのテーマには、まだ不安定さが残っている可能性があります。
まとめ
今回の日経225業種別データを見る限り、日本市場は全面的に同じ方向へ動いているというより、製造業・素材関連の動きが目立つ相場 と見るのが自然です。
上位には、非鉄金属、電気機器、窯業、機械、通信 が並びました。
これは、素材、半導体、設備投資、通信インフラといったテーマに市場の関心が向いている可能性を示しています。
一方で、下位セクターもあるため、日本経済全体が一様に同じ方向へ動いているというより、業種ごとの温度差が大きい状態です。
日経平均の数字だけを見ると見落としがちですが、業種別に分解すると、今の日本市場が何を評価しているのかが少し見えてきます。
注意点
この分析は、日経225構成銘柄の株価データをもとにした市場観察です。
個別銘柄の売買判断や投資助言を目的としたものではありません。
また、銘柄数が少ない業種は、1社の値動きでスコアが大きく変わることがあります。
そのため、ランキングの順位だけでなく、銘柄数や20日・60日のリターンもあわせて見る必要があります。
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