1. Amazonのレビューは本当に信用できるのか?
Amazonのレビューを参考に本を選ぶ人は多い。
しかし、ベストセラーほど評価が割れやすく、逆にニッチな本ほど高評価になりやすい傾向がある。
この現象には、いくつかの理由がある。
ベストセラー vs. ニッチな本
例えば、ベストセラーの本は、星4とかだが、レビュー件数が2,000件以上と多く、幅広い読者の評価が集まっている。
一方で、特定のジャンルに特化した本、は星4.6以上と高評価だが、レビュー件数が100件程度であり、コアなファン層が中心になっている。
このように、レビューの評価を見る際には、星の数だけでなく、レビューの件数や読者層の違いも考慮することが重要だ。
また、レビューの母数も信頼性に影響を与える。
- レビュー件数が多い(1,000件以上) → 幅広い層が評価しており、客観的な指標になりやすい。
- レビュー件数が少ない(100件程度) → コアなファン層の評価が多く、偏る可能性がある。
ベストセラーの評価が割れる理由
- 読者層の広がり: 普段本を読まない人や、著者の思想に共感しない層にも届くため、厳しい評価がつきやすい。
- 期待値の高さ: 「話題になっているから面白いはず」という期待が膨らみ、少しでも合わないと低評価になりやすい。
- ファンバイアス: ニッチな本は興味を持つ人だけが読むため、高評価になりやすい。
この現象について、森博嗣さんの『面白いとは何か?面白く生きるには?』での指摘が興味深い。
彼は、自身の著書の発行部数とAmazonの星評価を分析し、「星と発行部数には相関性が無い」と述べている。
つまり、多くの人に読まれるほど、期待値のギャップや批判が増え、評価が下がりやすいということだ。
さらに、星3.5~4.2の本が最も安定して売れている傾向がある。
これは、幅広い読者に受け入れられ、かつ極端に低評価をつける人が少ないためと考えられる。
2. Audibleのレビューはどう違うのか?
Audibleのレビューには、Amazonの書籍レビューにはない「ナレーションの評価」が加わる。
Audibleならではの評価ポイント
- ナレーションの相性: ミステリーやサスペンスでは「不気味な雰囲気が出ていて良かった」と評価される一方、ビジネス書では「淡々としすぎて眠くなる」と感じることがある。
- 聴く環境の影響: 通勤中に流し聴きする人と、寝る前にじっくり聴く人では、同じ作品でも印象が異なる。
- 情報の処理しやすさ: 活字では理解しやすい内容も、耳で聞くと「話が冗長に感じる」ことがある。
例えば、米澤穂信さんの『満願』は、ナレーションの癖が強いというレビューが見られた。
しかし、実際に聴いてみると、不気味な雰囲気が作品の持つミステリアスな魅力と合致しており、物語の世界観をより引き立てていた。
一方で、湊かなえさんの『サファイア』は、永作博美さんのナレーションが非常に高く評価されており、演技力の高さが作品の雰囲気を一層際立たせている。
こうした評価の違いがあるため、ナレーションの感想は人それぞれであることが分かる。
3. AmazonとAudibleのレビューをどう活用すべきか?
✅ Amazonのレビューをチェックする際のポイント
- 星の数だけでなく、低評価の内容を読む
- 例: 『○○○』は星3.8だが、低評価の多くが「配送トラブル」に関するものだった。内容には満足している読者が多い。
- 期待値ギャップが生じやすいベストセラーは、辛口評価も参考にする
- 例: 『△△△』は話題になったが、期待が高すぎて「普通だった」と感じた読者が低評価をつけている。
- レビューの母数をチェックする
- 例: 星4.0でもレビューが1,000件以上ある本と、100件しかない本では、信頼性が異なる。
✅ Audibleのレビューをチェックする際のポイント
- ナレーションに関する評価を重視する
- 試聴してみて、自分の好みに合うか確認する
- 活字で読んだ方が良さそうな本か、オーディオ向きかを見極める
4. レビューを鵜呑みにせず、自分で試すのが最善
最終的に、レビューは「他人の意見」に過ぎない。
特にAudibleでは、ナレーターとの相性が大きく影響するため、試聴機能を活用して自分に合った作品を見つけることが重要だ。
本を選ぶ際、AmazonとAudibleのレビューの関係性を理解すれば、より賢い選択ができる。
レビューを読むときは「なぜ低評価がついているのか?」を意識しながら、自分に合った一冊を探してみてほしい。


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