先日、上司からとても期待されていた、仕事の成果を上げている30代半ばの男性社員が、メンタルを病んでしまうということがありました。
この事例から、期待がいかに二重の刃となり得るかを分解してみたいと思います。
期待はモチベーションを高める一方で、プレッシャーに変わり得るという事実をいつも気にしておかないといけないと思いました。
事例の紹介
中途入社し、短期間でマネージャーへと昇格した35歳の男性が、期待のプレッシャーに苦しんでいることがわかりました。
彼は、もともと優秀な人材でした。
もともと、かなりのハードワークを経験されていて、子どもが二人いるので当社へ転職してきました。
人柄も良く、周囲とコミュニケーションもしっかりとれていました。
働きぶりは真面目で、周囲も彼の将来性に期待していました。
今後の部署を担う人材となることは明確でした。
そこで、転職後数か月にマネージャーに抜擢されました。
その数か月後に、メンタル的に病んでしまい、欠務することになったのです。
ちょうど、彼の部署が大変忙しい部署でした。
上司もかなり忙しく、必要な支援が不十分だったのかもしれません。
ただし、周りの評価はずっと高いままでした。
彼の事例から、期待されることがプレッシャーとなり、パフォーマンスだけでなくメンタルヘルスにも影響を与えうることが明らかになります。
これは、管理職にとって重要な気づきだと思います。
期待されることの心理学
なぜ期待がプレッシャーに感じられるのか、その心理学的な理由を簡単に説明します。
人は、他人から期待されると、その期待に応えなければならないというプレッシャーを感じることがあります。
これは、私たちが自分や他人からの評価を大切にするためです。
新しくマネージャーになった人は、特にこのようなプレッシャーを強く感じやすく、それがストレスにつながることがあります。簡単に言うと、期待されることは嬉しい反面、それを果たすためのプレッシャーとして感じられることがあるのです。
特に、新しくマネージャーとなった人は、期待に応えようとする中で、過剰なストレスを感じやすい状態です。
このようなストレスがパフォーマンスの低下や不安、メンタルヘルスの問題につながることもあることを理解する必要があります。
管理職へ伝えたいこと
マネージャーになったばかりの社員が、周囲から期待されていたにも関わらず、それが本人にとっての高ストレスとなっていた事例を紹介しました。
期待をかける際の微妙なバランス、非常に難しいですよね。
まさか、彼の上司も「期待しているよ！」というワードが、よけいに彼にプレッシャーをかけていたなんて。
部下に期待を伝える際は、その言葉がどのように受け取られるか、どのような影響を及ぼすかを考慮する必要があります。
期待はモチベーションを促す一方で、プレッシャーに変わってしまうリスクもあります。
期待とコミュニケーション
結局、期待を適切に管理することが、効果的なリーダーシップには不可欠です。
部下の反応を観察し、支援を提供することで、期待をポジティブな力に変えることができます。
本当に色んな人がいます。
期待しているね！と言えば、その期待をプラスにとらえて、さらにやる気を出す人もいます。
反対に、この期待されている状態がマイナスに作用してしまう人もいます。
管理職は、期待を通じてモチベーションを高める方法を学び、同時にプレッシャーにならないように注意深くバランスを取る必要があります。
声のかけ方
「期待している」という言葉は、時に相手にプレッシャーや義務感を与える可能性があります。
では、もっと良い他の言葉は無いのでしょうか。
これに対して「応援している」という表現は、いかがでしょうか。
より肯定的でサポートを感じさせる言い方として捉えられやすく、相手に対する信頼と支援を表現できると思います。
例えば、「このプロジェクトの成功を信じています。全力で応援しているので、何か必要なことがあれば遠慮なく言ってくださいね。」
等、必要なサポートを提示しているような表現になると思います。
期待していると言われるよりも、応援していると言われるほうがプレッシャーは感じないような気がします。
まとめ
「期待される」という経験は、個人によって受け取り方が大きく異なります。
それがモチベーションになることもあれば、重圧となることも。
管理職としては、この微妙なバランスを理解し、チームメンバーが健康的でポジティブな環境で働けるよう配慮することが求められます。
期待という力をうまく使いこなし、支え合う職場を目指したいですね。
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